まだ温かいパエリア

「ゲーマー」に関して本を書く事になったら、どういったことを書く?「娘」の由来や歴史なんかかな。もしくは、自分オリジナルの考え方からの見解だろうか。

目を閉じて跳ねる彼女と季節はずれの雪

ちかこが、マンションのベランダにて、トマトを作っている。
実ったらトマトケチャップを作るらしい。
彼女は、マメに水を与えないし、ベランダにて煙草を吸うので、トマトの環境はこれっぽっちも良くない。
丸3日、水をあげてないという時の、その見た目は、葉がだらりとしていて、なんとなくしゅんとしている姿にそっくりだ。
かわいそうになったので、水分をたっぷりあげると、あくる日のお昼くらいのミニトマトは生き生きと復活していた。

余裕で跳ねる友達とファミレス
かなり昔に見た作品が、「ビフォアサンライズ」といって、日本名は恋人までのディスタンスだ。
父に、「とてもいい作品」と勧められたストーリーだ。
電車内で偶然出会ったアメリカ出身の、イーサン・ホーク演じるジェシーと、フランス人のセリーヌで、限られた時間でオーストリアのウィーンを旅するストーリーだ。
この作品の他とは違う部分は、ここぞとばかりのハプニングや起承転結の点の部分なんかが、見えないという点。
出会ったばかりの2人が、過去の恋や世間に関してひたすら討論する。
見た時は15歳だった私は、まだまだ幼く、退屈しながら見たストーリーだった。
十数年が経過し昨日、たまたまレンタルビデオ店で見つけ、昔見たなと思い借りて再び見たところ大変感銘を受けた。
好きなシーンは、レコード店でケイス・ブルームの曲を聞きながら視線を投げあうシーン。
2人の帰国の時、要は、別れ際、そこでクライマックスを迎える。
見た当時は心に響かなかったこのシネマ、間隔をあけて見ると、また違う見方ができると思う。
とりあえず、ケイス・ブルームのカムヒアが入ったALBUMを、itunesで探し出して聞きたい。

喜んでお喋りする父さんと読みかけの本

少年は今日、小学校の給食係だった。
マスクと帽子を着け、白い割烹着を着て、他の給食当番達と、給食を給食室に取りに向かった。
今日の主食は、ご飯じゃなくてパンだった。
バケツみたいに蓋付きの大きな鍋に入ったスープなんかも。
少年は、最も重い瓶入り牛乳だけは、男子が運ぶべきだろう、と思っていた。
クラス皆の分だから38本ある。
だから自分が、バットに入った38本の瓶入り牛乳を持ったけれど、同じ給食当番のフーコちゃんが一緒に持ってくれた。
重たい瓶入り牛乳を女子に運ばせたくなかったけど、クラスで前から気になっているフーコちゃんと一緒に教室まで歩ける、と思ったので、少年は少しドギマギしながら、そのまま2人一緒に牛乳を持つことにした。

薄暗い祝日の明け方は足を伸ばして
ちかことニューヨークのAbercrombie & Fitchに行った。
本当にここのセレブっぽいコーディネイトがお気に入り。
それに、お店の中の高級感と、この匂いが。
2時間くらいうろうろして、Abercrombie & Fitchを出た。
すると、私は道を占領して歩いていたので、ごめんなさいと言って振り返った。
すると、店に来ていた兄さん。
笑顔で、いえいえ、など言われた。
目についたのは、抱えているショップ袋。
アバクロンビーでどんだけ買い物したの?って疑問が生まれた。
そして、スターバックスで知佳子とその男の人の収入当てで議論をした。
ANSWERは永遠のなぞだけど。

のめり込んで吠える友達と穴のあいた靴下

何年か前から、九州の南に住むようになって大型台風をめっちゃ気にすることになった。
強風が全然違うからだ。
九州北部に住んでいたことも神奈川に住んでいたこともあるが、台風の風の被害が全く違う。
サッカーのゴールポストが転がっていくと話を聞いた時は、オーバーだと思ったが、事実だった。
風速がすごい台風が通った後は、高いヤシや大木は道路に倒れ、海辺の道はゴミであふれ車で走るのにも道を選ばないと走れない。
海沿いの家では、車のフロントガラスが割れたり、民家のガラスが割れ、風が入って天井が壊れたりと本当かと思っていたようなことを見てしまった。
直撃せずにかすっただけでも風はめっちゃ強く、古い民家にいると家の揺れてきしむ音がものすごく心配してしまう。

陽気に体操する兄弟と俺
中学生の頃、父も母も、娘の私の対人関係に対ししつこく積極的であることを求めてきた。
一般的から離れては良くない、とか。
非常に生きづらい時代だったと思う。
学校が終了すると、毎日のように偽りの生活を楽しそうに両親に伝える。
これで、安心したような顔を見せてくれる。
周囲と目立つと、浮く。
常にこればかり頭にあった学生時代の私と母親。
切ない昔だと感じる。

陽気に体操する友達と俺

先日梅雨が明け、今日蝉が鳴いているのを聞いて、少年は「今年も夏になったなぁ。」と思った。
あと10日ほどで夏休みという日曜の午前中、少年は縁側で入道雲を見ながらアイスを食べていた。
頭上では風鈴がときどき涼しげに鳴っていた。
朝から暑い日で、日光が少年の座った足を焦がしていた。
少年は元気に半ズボンという格好だ。
ほっぺたを伝って汗が流れ、アイスクリームも溶けてきた。
少年は、近所の屋外プールのプール開きが待ち遠しかった。

悲しそうに体操する君とぬるいビール
江國香織の話に出てくる女性は、陰と陽を持ち合わせていると思う。
結婚していて、他の男性と恋愛することを肯定化する。
恋だと思わせつつ、心底大切に思っているのは旦那様だけのたった一人。
そんなヒロインが多く見られるような気がしませんか。
不貞行為を陰だと置くと、旦那さまは陽。
たまにスイッチが入ったように陰が登場する。
不倫に対する価値観は置いておいて、そのストーリーの女の人を見つめる。
私の中にもう一つの恋愛観や新たな価値観が登場することもたまにある。

夢中で自転車をこぐ父さんと読みかけの本

会社に勤めていたころ、まったく退職する機会がやってこなかった。
とても辞職したかった訳ではないから。
もう気持ちがなかったのかもしれない。
でも、その日、ハッキリ辞めさせてくださいと口にした。
そんな日に限り、入社当時からすごく厳しいと感じていたKさんが、話しかけてきてくれた。
会話の途中で、私の本心をふくむ事情を知らないKさんが「今の仕事、難しいよね。おまえはあと少し頑張れるよ。」と言ってきた。
このタイミングだったので泣き顔になった。
私は、会社の帰りに、上司に退職を受理しないようにしてもらった。

ノリノリで走るあの人と擦り切れたミサンガ
タイムイズマネーというのは、的確な言葉で、ぼやーっとしていると、実際にあっという間に自分の時間が過ぎていく。
今よりもスピーディーに業務も締め切り前の報告書も終了すれば、他の仕事に時間を回すのに。
部屋の整理をしたり、散歩したり、料理をしたり、文庫本を手に取ったり。
そう思ったので、近頃はシャキシャキ終わらせようと努力しているが、どこまで頑張れるのか。

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